産業用ロボットというのは、産業用ロボットが人間の代わりに働くように設計されているロボットです。次に、協働ロボットは人間の作業員と一緒に働くように設計されているロボットです。この設計思想というのが非常に重要なポイントとなっています。
産業用ロボットについて
産業用ロボットというのは、産業用ロボットは、製造工場で人間の手を借りずに製造工程のほぼ全体を自動化するために使用されます。例えば、自動車の製造プロセスにあるロボットのように、重量やサイズの大きい材料を扱うことができますが、作業場所に人間が立ち入らないように安全柵を設置する必要があります。
協働ロボットについて
協働ロボットは、人間に近接して作業する必要があるため、重量物を扱う製造工程用には設計されていません。つまり、人間の近くで稼働させても十分に安全なので、事前にリスクアセスメントを行えば産業用ロボットのような安全対策用設備は必要ありません。
産業用ロボットの特性として押さえておくべきポイント
・完全自動化を目指す上では最適
・安全性の配慮が必要であり、スペースの確保が必須
これを踏まえると、ロボット並びに、周辺機器も合わせて投資回収ができる程度に「生産期間が長く」「スペースの確保をしても良い」工程でなければならない。 といえます。
過去、当社がご提案した例も踏まえると、
・3~5年は稼働もしくは、24時間での稼働がある一定期間で想定される工程
・重量物の搬送工程で数年に稼働が想定される場合
かつ
・新設工場や、ある程度のスペース確保が可能な工場である場合 に最適であるといえます。
協働ロボットの特性として押さえるべきポイント
・人の作業を補助する目的で導入される
・安全柵が不要な為、スペースが限定される箇所で使用可
これを踏まえると、 自動化を検討したいが「スペースの確保が難しい工程」「多品種少量・中量生産が想定される」工程は協働ロボットが良い。といえます。
過去、当社がご提案した例も踏まえると、
・多品種少量・中量産品の工程で可変性を持たせた工程を築きたいという場合
・スピードを求めないが、省スペースな空間で軽量な製品を繰り替えし、 生産させたいという場合 が最適であるといえます。
産業用ロボットと、協働ロボットの特性
重量物の搬送能力という点で云うと、産業用ロボットは優れていますが、最近では協働ロボットも耐荷重の能力が優れてきている為、20㎏程の重量を移載する能力は持ち始めています。
次に自動化という点で云うと、大きな違いはありませんが、次の項目であるスピードという点も踏まえると、産業用ロボットがはるかに優れた性能を持っています。
しかし、最後の項目であるとスペースという点では、安全柵の必要性やロボット自体の大きさという点からも協働ロボットに優位性があります。
特長をまとめると以上のようになりますが… ご覧いただいた通り、どちらか一方が絶対的に優れているということは無く、環境・条件により優劣があるということがご理解いただけたのではないでしょうか。
ですので、ポイントは各ロボットの特性を押さえて、
①自社が自動化したい工程
②ワークの生産数量
③生産期間
④生産スピード
⑤工場スペース
を加味し、選定することだといえます。ですので、補助金やキャンペーン等を理由にロボットを指定することは、ロボット導入の本来の目的を考慮すると間違いあると言えます。